"変化"の記事一覧

離婚率が高くなっているのは発達か退化か?

 離婚率が高くなっている。文化が発達すればするほど、高くなる傾向にあるようである。この離婚の増加は、果たして人間が動物として発達していることの裏づけなのか、それとも退化しているのか。 結論を先に言うと、私はこれは人間力の退化の一つだと考えている。そもそも発達とか退化とは何を元にしているのだろうか。進化の過程で馬は中指一本がだけが発達し、…

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個性的であろうとすることと没個性 その2

 個性ということを考えていたら、個性とは何かについて定義をしていないことに気付く。今更ながら、岩波国語辞典と岩波小事典『哲学』を引用してみる。「個性:①他の人とちがった、その人特有の性質・性格。個人の特性。②個体に特有の性質。」(国語辞典)「個体について、そのありかたが特殊・独自であることの性質をいう。中世の唯名論のあとをうけるルネサン…

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個性的であろうとすることと没個性

  K.ローレンツ『文明化した人間の八つの大罪』を図書館に予約して借りてきたのは先週の火曜日。一度通読し、深い感銘を受ける。そして、ローレンツが30年以上も前にこの著書で警告していることが、現在世界中で進行中であることに驚く。その先見性。天才は足元の問題を着実に分析する能力を持っているのだ。当時からその問題の原因は顕在化していたのだった…

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残酷さについての考察もどき

 「私は母音の色を発明した!-Aは黒、Eは白、Iは赤、Oは青、Uは緑。私は子音それぞれの形態と運動を調整した。」 『錯乱Ⅱ』 ことばの錬金術の中で、A.ランボーはこのように宣言した。だから私も宣言してやろう。「残酷さ」の公式を作り出したのだと。  私は春分さんの「長虫(そのそれは長く、しかし毒はもたない)」を見てしまった時、考えた。残…

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松井冬子の絵画について

 先週、NHKのETV特集で放送された松井冬子紹介番組を私は興味深く観ていた。lapisさんもご指摘のように、テレビの影響は絶大であると思う。仮令彼女の作品が気に入らない人々でも、彼女の美貌には目を惹かれ、あの全体的に大作りな、マリア・カラスを思い出させる造作が脳裏に焼きついたのではないだろうか。制作者の演出意図が見えかくれしていた。つ…

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